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平成24年3月30日

自動車業界、メキシコに続々−人件費日本の6分の1、影落とすブラジル輸出規制


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 【セラヤ(メキシコ中部)時事】日本の自動車関連企業のメキシコ進出が活発だ。2013〜14年にかけて、ホンダと日産自動車が工場を新たに設立、マツダも生産を開始する。曙ブレーキ工業やヨロズなど部品大手も続々と進出や生産拡張を決定。人件費や関税などで有利なメキシコは、「誰もが進出検討中と言えるほどの人気」(部品業界筋)となっている。

 ホンダと日産、マツダが新工場で生産するのは、いずれも利幅の薄い小型車だ。円高で日本からの輸出採算が悪化する中、製造業労働者の平均時給が米国や日本の約6分の1という条件を生かしてコストを抑えられる。

 さらに、メキシコは40カ国以上と自由貿易協定を結んでいる。輸出の関税が優遇されるメリットを生かし、各社とも、同国に隣接する米国や世界4位の市場となったブラジルなどへ輸出する計画だ。

 日産はメキシコでの年間生産台数を、現在の60万台から100万台に引き上げ、日本と並ぶ主要拠点とする構え。28日に新工場の起工式を行ったホンダも、「もう1工場(の建設)も当然視野に入れている」(伊東孝紳社長)と、鼻息が荒い。

 ただ、ここに来て、メキシコ、ブラジル間の自動車関税協定の見直しが、日本企業の戦略に影を落としている。ブラジルの通貨高や割高な賃金を背景に、メキシコからの輸入台数は11年実績で約13万台と、2年間で約3倍に増加。ブラジルは今月、自国産業の保護を目的に輸出制限を要求し、メキシコが今後3年間制限を設けることで合意した。

 中南米経済に詳しい日本貿易振興機構(ジェトロ)の水野亮氏は、各社とも「ブラジルへの輸出増を見込んで計画を立てていたはず」と指摘する。メキシコ生産車の半分以上をブラジルに輸出する日産は、「計画の見直しが必要になる可能性もあり、動向を注視している」(広報)としている。トヨタ自動車は、メキシコでは北米向けの大型車を生産しており影響はない。


ホンダ、メキシコ第3工場も−伊東社長、海外最大級の拠点に


picture ホンダが2014年春に稼働させるメキシコ新工場の建設予定地。同じ敷地内にもう一つの工場を建設する計画を検討している=28日、メキシコ中部セラヤ(時事)
 【セラヤ(メキシコ)時事】ホンダは28日、2014年春にメキシコ中部セラヤで稼働する新工場の敷地内に、新たに別の工場を建設し、年間生産能力を40万台程度に倍増させる計画を検討していると明らかにした。実現すれば、同社として日本国外では最大の米オハイオ州の工場に次ぐ規模で、米国や中南米などの巨大市場に供給する世界的な輸出拠点となる。

 新工場は、ホンダとしてメキシコ2番目の生産拠点で、年産能力20万台。伊東孝紳社長はこの日行われた起工式に先立ち、同じ敷地内に「もう一工場(の建設)も当然視野に入れている」と語った。メキシコは、自由貿易協定を結ぶ米国やカナダなどに関税なしで輸出できるほか、国内市場も成長が見込めるため、「大きな期待がある」(伊東社長)という。

 また、ホンダはこの日、新工場で小型車「フィット」を主に北米向けに生産すると正式発表。これまで、北米のフィットは日本から輸入していたが、小型車はもともと利幅が薄い上、円高で輸出採算が悪化。カナダ向けは今年に入って出荷元を日本から中国に切り替えていた。メキシコで生産することで、価格競争力を高める狙いだ。



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